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暗号資産(仮想通貨)に関する税金と年内に行いたい対策

◆暗号資産(仮想通貨)の取引で得た利益への課税は?
今年も早いもので残り数日になりました。暗号資産(仮想通貨)の取引で利益を出された方が年末になって気になってくるのは「いくら税金がかかるのか?」「確定申告が必要なのか?」ということかと思います。

日本の所得税法上、暗号資産(仮想通貨)の取引で得た利益は課税対象となり、1月1日から12月31日までの1年間の取引で確定した利益は、一般に総合課税の「雑所得」として確定申告が必要になります。
(総合課税とは、給与所得や事業所得などの他の所得と合算して税額の計算をすることを言います)。

◆損益が発生する取引とは?
税額の計算をするにはまずは、暗号資産取引でいくら損益が出たかを計算する必要があります。
個人で投資を行っている場合には暗号資産を購入して持っているだけでは損益は発生しませんが、以下のような取引を行うと損益が発生します。
(法人で投資をされている場合には、期末の時価評価が必須のため期末に損益が発生します。)

・暗号資産を売却して法定通貨(円やドル等)を得た
・暗号資産Aを暗号資産Bと交換した(ビットコインをイーサリアムに替えた等)
・暗号資産で物を購入した(物を買ったり、セミナ参加の費用を払った等)
・マイニングやステーキング、ボーナス等で暗号資産を受け取った
・ICOやIEOに投資を行った

人によっては他にも損益が発生することもありますが主に上記の取引を行った時に損益が発生します。
この取引で発生した利益に対して税額を計算します。

※会社員などで給与所得を得ている方で、年末調整を行っている場合には、年間20万円までの利益(雑所得)であれば申告不要です。

◆利益に対する所得税の税率
利益に対しての所得税の金額は以下のようになります(この他に住民税も発生します)

国税庁 所得税の税率より抜粋

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

税額の計算方法としては
(①課税される所得金額-②所得控除)×③税率-④上記控除額=税額
となっており、例えば
年収400万円の給与所得がある方で、暗号資産投資にて1,000万円の利益を得た方の場合
上記をもとに所得控除などは考慮せずに計算すると、次のような税額がかかってきます。

会社員の給与:400万円
暗号資産の利益:1,000万円
合計年収:1,400万円
所得税額:308万4,000円
住民税額:140万円(10%として計算)
合計(税額):448万4,000円(所得に対する割合:32%)

少なくない額が税金として発生することになります。

◆年内に検討したい税金対策とは?
このような発生する税金の対策として、年内で検討したほうが良いことについてご紹介したいと思います。

暗号資産の取引によって得た損益は、その年(暦年)に発生した利益合計に対して税金が課されます。
そのため今年のうちに何かしらの手を打っていくことが重要になってきます。

税金の対策を行う上でポイントになってくるのが、
・暗号資産投資による損失は翌期に繰り越すことができない
・暗号資産投資による損失は雑所得のため他の収入と合算ができない

ということで
暗号資産の取引は、年内に利益が出ているのであれば含み損を実現させて利益を圧縮する、損失が出ているなら含み益を実現して損失を解消する、といった調整をすることが税金対策になります。

◆節税対策の例
例えば、先ほど例に出した方が含み損のある通貨を持っていた場合、これを売却することで損を出し、利益と相殺することができます。

仮に含み損のある通貨が以下のような場合、
暗号資産A 所持数10,000通貨
購入単価:500円
 現在の価格:10円 

500万円で購入した暗号資産Aの現在の資産価値が10万円となっており、490万円の含み損が発生していることになります。

この暗号資産Aを売却することにより今年の利益を減少させることができます
売却した場合の今年の利益
1,000万円-490万円=510万円

含み損のある通貨を売却することにより税金の額は以下のように変わります
会社員の給与:400万円
暗号資産の利益:510万円
合計年収:910万円
所得税額:146万7000円
住民税額:91万円
合計(税額):237万7000円

税額を 210万7000円 減らすことができます。
このような取引を行って効果があるのは、年内のうちですので、ぜひともご自身の現状の収支の確認と、資産状況の把握をされることをお勧めいたします。

詳しくは、税理士に相談したり国税庁のホームページなどもご参照ください。
「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」について(国税庁)