マーケット情報

日次レポート

  • 米7月雇用統計の発表を受けて


    昨日のBTC/JPYは高値が¥1,258,000、安値が¥1,206,000と変動幅が¥52,000であった。
    5日移動平均は¥1,118,042、20日移動平均は¥1,044,439、100日移動平均は¥947,581となった。
    昨日まで続伸していたBTCは反落。8/2の年初来高値には届かず調整売りが入る形となった。
    昨日発表された7月の米雇用統計では、雇用者数が176万人増と前月に比べて鈍化したものの、市場予想を上回る結果となり、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けていた労働市場の回復が続いていることが示された。発表を受けドル買いが優勢となり、リスクオフ資産である金先物や米10年債は売られ、下落を続けていた利回りが上昇した。米株式市場ではNYダウが寄り付きから小幅安で推移し、方向感が定まらないように見えたが、引けにかけて上昇しプラス圏で取引を終了した。BTCの下落については、リスクヘッジ先として流入していた資金が、好調な雇用統計の結果を受けた市場のリスクオンムードにより一部流出したという可能性が考えられる。

週次レポート

  • 引き続き米国内外の政治・地政学的リスクを注視

    ウイークリーレポートチャート
    【要旨】米中関係、米国内の政治、新型コロナウイルス感染症、そしてこれらに関わる経済指標の悪化を受けビットコイン(BTC)は一時期12,000ドルを突破。さすがにその水準で利食いは入ったが、上記のリスク要因は根本的に解決しているわけではないので割安になったら買い増しはあり。ただし、先物・オプションのショートも大幅に増加していることから引き続き利食いの準備はしたい。なお、本稿ではイーサリアム(ETH)のアウトパフォーマンスについても補足で考察を行う。

    先週も米中対立(米国の中国への強硬姿勢の強化)、米国政治経済(米失業給付の特例加算の失効)、新型コロナウイルス感染症の拡大等、市場参加者のリスクセンチメントを冷やすニュースの見出しが多くみられた。そんな中、米国の4-6月期GDPは過去最悪になると事前から予想されていたものの、蓋を開けてみたら、多くの投資家の景況感をより悪化させてしまった。米ドルは売られ続けドル指数は一時期、92.552まで低下。逆に暗号資産のラリーは止まらず。BTCUSDは7月26日に節目である10,000ドルを超えたが、資金インフローは止まらず日本時間の8月2日の明朝、大台である12,000ドルを達成。リスクセンチメントが悪化する中で「リアルゴールド」(金価格)と「デジタルゴールド」である暗号資産(BTC、ETH等)が上昇するのも納得できる(なお、コモディティーに関心のある読者は銀の動きも見ることをお勧めする。足元途轍もないラリーがみられた)。

    米中対立については、11月に大統領選挙が迫る中、各種サーベイでバイデン元副大統領に劣勢なトランプ大統領がツイッターで中国を批判するコメントを連発。さらにホワイトハウスは香港の議会選延期(9月予定の立法会選挙を1年間延期)を批判、動画投稿アプリ「ティックトック」の利用禁止を示唆する等、米中関係悪化に繋がるヘッドラインが出続けた。米国国内では新型コロナウイルス感染症拡大が収まらない中、失業給付金に関する議論が共和党・民主党間で決着が付かず、7月31日(期限)を迎えてしまった。共和党は失業給付の特例延長については合意しているものの、加算支給額を週200ドル(600ドルから)へ減額すると主張。一方で民主党は、加算額を週600ドルのまま維持するよう求めていた。これでは、7-9月の米国の消費も伸びず、財政政策に期待を織り込んでいた市場も縮こまってしまっても仕方がない。足元では、新型コロナウイルス感染症、経済の再開に楽観的であった市場参加者も弱気になりつつある(正確にいえば、弱気になりつつもワクチン関連の報道が出るたびに一喜一憂している印象だが…)。米国での死者数は15万人を超え、現時点では減速している感じはしない。

    7月30日に公表された4-6月期GDPは前期比年率-32.9%と過去最悪を記録。ビットコインはGDPに反応したが、やや不思議なのはエコノミスト、プロの市場参加者が4-6月GDPが相当悪くなることについて警告を鳴らしていたのにも関わらず(ブルームバーグの事前集計では予想中央値は前期比年率-34.5%)、事前から価格に一部しか織り込まれていなかったことだろう。改めて「市場の不完全性」について考えさせられる出来事だった。そこに雇用状況の悪さを示す新規失業者保険申請件数(143.4万人)が出てしまい、市場はリスク売り(株、ドル)、安全資産買い(米国債、金、ビットコイン等)を行った。株は金曜日に上昇したが、月末の年金等のリバランスが入らなければ最後は弱含んで引けていた可能性が高い。なお、FOMCは無風通過。引き続き景気に弱気なスタンスが示された。

    ポジショニングについては引き続きショートが多く入っていることに注意されたい。7月28日にCommodity Futures Trading Commission:CFTCが公表したBTCの前週のNon-Commercial(非商業)先物ポジションをみるとショートは12,053枚、ネットで-3,244枚と過去最大の大きさとなっている(本レポート公表時点で枚数が増えている可能性はかなり高い)。BTCUSDが12,000ドルで一度下へ弾き返されたことを考えると一度売りにスイッチが入ると加速度的に売りが入るリスクは常に考慮しておきたい。

    最後にETHのラリーについて補足を加えたい。ETHがリスクオフの流れの中で別の理由で材料視されるのは、2020年第3四半期に大幅なアップデートが予定されているからである。アップデート後、「ステーキング」(ネットワーク安全性に対する貢献すること)により保有者は報酬を受け取ることが出来ることになり、よりETHの可能性に対して期待が高まっている。その結果、ETHはBTCをアウトパフォームしている可能性が高い。

    ウイークリーレポートデータ

YOUTUBE動画